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執筆者の写真超法寺の住職

掃除で悟りを得た弟子

皆さま、こんばんは。

おかげさまで報恩講前の大掃除を無事に済ませて、今週土曜日の法要をお待ちすることができます。明日は仏華をいけます。


本堂内を清掃し、庭の草刈りもしていただきました。かなりスッキリしました。

お手伝いをいただき感謝です。

掃除と言えば、皆さまは【周梨槃特】(しゅりはんどく)というお釈迦さまのお弟子ですが、ご存知でしょうか。

彼はお兄さんの[摩訶槃特]に誘われて修行の道に入られましたが物覚えが悪かったのでした。

この話を聞いてピンときた方はよく仏教を学んで仏法聴聞を重ねている人だと思います。


皆さまは[茗荷](みょうが)をご存知ですか。茗荷といえば食べすぎると物忘れになると言われています。実はこのお弟子さんの話から来ているのです。


どういう話しかご紹介しますね。

この【周梨槃特】さんはお兄さんはとても優秀であったと言われていますが自身は物覚えが悪く、朝に聞いた話を夜には忘れてしまい、自分の名前も忘れてしまうため、背中に書いていて、人から名前を尋ねられると背中を見せたそうです。


他のお弟子たちと一緒に修行に励むのですが、一生懸命に努力はするのですが、ついていけず次第に愚か者扱いをされる始末でした。

そんなでしたから、これではやれないと修行を辞める決意をして、お釈迦さまの元へいくのでした。


すると、お釈迦さまは周梨槃特に一本のほうきを手渡し、「掃除をしながら『塵(ちり)を払い、垢(あか)を除かん』と唱えよと言われました。


物忘れの周梨槃特は、『塵を払い、垢を除かん』を唱えていると思えば、ほうきを忘れ、掃除をしていると思えば、唱えるのを忘れてしまう具合でしたが、彼は必死に手を動かして掃除を続けました。


長年続けていくなかで、「塵(ちり)とは何か、垢(あか)とは何か」ということを考えるようになっていきました。

来る日も来る日も掃除を続けた彼は、ついには自分自身の心に積りに積もった塵と垢に気づき、それらを捨てて離れることを得て悟りを開かれました。


[心の塵、心の垢]とは、人生の経験、体験、習慣によって自分の中に作り上げてしまった「偏った(かたよった)物事の見方や思い込み、執着の心」を言うのです。


周梨槃特はこれを自ら自覚して捨てていくことにより、苦しみを離れて心の安らぎを手に入れることができたのです。


私にも皆さまにも、きっとある。

厄介な癖としての私の心の中の塵と垢。

たまに精一杯の清掃をしてみると、改めて自分の「心の塵と垢」を見つめる時間を持つことは大切ではないかと思いますが。


ちなみに漫画『天才バカボン』に登場する、「おでかけですか、レレレのレ」のおじさんは周梨槃特がモデルって知っていますか。

レレレのレ〜。


南無阿弥陀仏

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