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執筆者の写真超法寺の住職

幽霊は怖い?

皆さま、こんばんは。

二度とない今日をいかがお過ごしでしたか。

私は追突事故被害から四ヶ月目を迎えましたが、どうにもこうにも全身の痛みが回復しません。毎日のように整骨院へ通っていますが先生曰くまだ二割くらいしか回復していないとのこと。ここまで酷いとはと頭を抱えていらっしゃいます。事故は誰であってもしたくないし出遭いたくもありません。それでも車を運転するということは避けられないものでもあります。

人間の身体はほんの少しずれただけでもかなりの痛みを生じます。分散することも多々あるそうです。思い返せば衝突した瞬間、この巨体が浮き上がり私も瞬間的に身体に力がめちゃくちゃ入った感じがありました。

だからでしょうか、筋肉の傷みは必要以上だったのかもしれません。


今日は膝裏を中心に治療していただき痛みでのたうちまわりました。痛みに弱い私です。

両足にぐるぐる巻きにテーピングしています。

長いこと生きていますが、ここまで長い期間痛みが回復しないのは初めての経験です。

保険が効いている間で回復するのか不安ですが、阿弥陀さまにおまかせしていくしかないでしょうかね。皆さまも気をつけてくださいね。

身を任せて治療していきますよ。


さて夏本番になりますとテレビでは怪奇現象などの寒気がするような心霊現象などの特集が放送されます。皆さまは幽霊って怖いですか?

私は子供の頃から敏感でしてよくお見かけしました。先月まで住んでいた家にも毎晩のようにおられました。ま、阿弥陀さまがいらっしゃるので何も心配はしていませんでしたよ。もちろん住み始めてからずっとですから約7年ご一緒に住んでいました。何か笑えますね。


実は以前、築地本願寺での講座での話です。大阪のご講師が、「皆さまは幽霊って怖いですか?いるかいないか気になりますか?」と質問をされました。皆一様に頷いていました。

もちろん私は頷きませんでした。

すると先生はこうおっしゃるのでした。

「いてもいいんですよ。」

意外なお答えでした。

怖くても勇気を持って幽霊さんにこう言ってあげなさい。

「あなたも仏さまになる人ですよ。一緒にお念仏申しましょう。」と、合掌して南無阿弥陀仏とお念仏をお称えするのが念仏者のあるべき姿だと思いますよ。

そう言われました。皆ビックリしていました。

そういう言葉で表現する先生は初めてでした。

そうですよね。阿弥陀さまは、あらゆる命を南無阿弥陀仏一つにて必ず仏にするとお誓いして成仏された真実の仏さまじゃないですか。

でしたら相手がたとえ幽霊であっても阿弥陀さまはお救いのおはたらきをしてくださいます。

一人でも漏れたら私は仏にはならないとの確かなお誓いだからです。疑う余地などありません。


皆さまは落語はお好きでしょうか。

落語にもたくさん幽霊は登場します。

当時は夜間の照明がほとんどありませんから、ちょっとしたものが幽霊に見えたはずです。暗闇は私たちを不安にしますよね。だから阿弥陀さまは姿の仏さまではなく【声】の仏さまになられたのです。暗闇でも声ならどこでも仏さまを知ることができるからです。

落語での幽霊話は逆の発想から、愉快に振る舞う幽霊がいればと考えられたのではないでしょうか。さて現代社会の幽霊はどうでしょうか。

今は東京都知事選の演説が殺伐としていますように、恐らく幽霊は人間の前には姿を見せないと私は思いますよ。だって人間の方がはるかに凶暴で怖いからです。見た目や語気の強い暴力的な言動。それをまた動画撮影してYouTubeなどのSNSに投稿しちゃうのですからね。世も末だ[末田]。学生の頃よく先生からそう言われましたなぁ。懐かしの笑い。


見えるものだけが真実ではありません。見えなくてもあるんだよ。金子みすゞさんの世界のように。わからないまんま、私の上にはたらいていてくださるのです。

親鸞聖人はご和讃に、

 南無阿弥陀仏となふれば

 十方無量の諸仏は 百重千重囲繞して

 よろこびまもりたまふなり

とお示しくださいます。


だからこそ、先生は「幽霊はいてもいいんだよ」と、おっしゃったのではないでしょうか。

南無阿弥陀仏をお称えすると、海砂利水魚のように数限りのない仏さまが私たちを喜んで守っていてくださいますよと、親鸞聖人もおっしゃっておられます。頼もしい仏さまに出遇わせていただけて、この口に声となって宿っていてくださる南無阿弥陀仏の仏さまを大切にしたいものですね。

南無阿弥陀仏、ナンマンダブツ。

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