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執筆者の写真超法寺の住職

地獄には誰が行く

更新日:2022年10月11日

皆さま、こんにちは。

三連休最終日、雨ですね。

今年は三連休はずっと雨ですね。

私たちの日頃の行いが良くないのでしょうか。


さて日頃の行いと言えば、仏教では【六道輪廻】という考え方があります。皆さまもお聞きになられたことがあるかもしれないですね。


この度は【六道輪廻】についてご紹介いたします。


インドから始まった世界観です。

インドでは修羅道を地獄に含め、五道とする考え方があります。


皆さまは、死ねば仏とか、天国へ行ったとか言ったり聞いたりしたことはありませんか?

一体どこへ行くのでしょうか。

浄土真宗のご縁の方には、「うちは浄土真宗だから浄土に行きますよ」などと笑われる方があります。

果たして、浄土真宗だから浄土に行くのでしょうか?いえいえ違いますよ。

そんな狭いお救いの領域なんかであるはずはありません。むしろそれは私たち人間の浅はかな領域の考え方なのでしょう。


私たちの永遠のテーマ【死んだらどうなるのか】

平安時代の僧侶•源信さま〈942-1017〉が書き残された『往生要集』の「死後の世界」からご紹介いたします。


この『往生要集』には三途の川や閻魔による裁判、子どもが河原で石を積む場面も出てこない。

閻魔の起源はインドの「ヤマ」にある。

ヤマは最初に死んだ人間で、死後の世界の王と考えられ、日本に渡って閻魔となったとされる。


中国では、道教や民間宗教と融合して、四十九日や三回忌などの法要で異なる王が裁く「十王信仰」が生まれました。


さて『往生要集』では、地獄は六つの迷いの世界「六道」の一つ。

六道には地獄•餓鬼•畜生•修羅•人間•天上があり、亡くなると六道の中で生まれ変わる「輪廻」を繰り返す。

【六道から抜け出したさとりの世界が極楽浄土で、抜けるには念仏の修行が必要である】


キリスト教にも天国と地獄がありますが輪廻という考えはありません。


地獄には、等活地獄(とうかつじごく)や黒縄地獄(こくじょうじごく)など「八大地獄」があります。それぞれの地獄には広さや寿命があり、その地獄に落ちる原因も示されています。

下層へ行くほど苦しみは大きくなります。


最も恐ろしいのが阿鼻地獄(あびじごく)です。

ここは鬼や銅の犬、鉄の大蛇、500億の虫に責めたてられ、溶けた銅を口から流し込まれる。

他の七つの地獄の1000倍以上の苦しみがあると書かれています。


逆に極楽では10の幸福「十楽」(じゅうらく)を得られる。

先ずは臨終に際しての来迎(らいごう)だ。

阿弥陀如来や観音菩薩、勢至菩薩などが迎えに来て、蓮華の台に乗せて極楽に導いてくださる。


極楽に着くと、蓮華の花びらが開き、往生したことへの歓喜に包まれる。仏さまと同じ特徴や能力が備わり、美しい景色や音楽の中、心は清らかな喜びで満ち溢れます。そして阿弥陀如来から教えを聞くことができるとあります。


※ちなみに他力本願(ナンマンダブツ)の教えは阿弥陀如来のおはたらきに出遇い、南無阿弥陀仏になるために来迎を待つ必要はありません。


これら地獄•極楽を通して源信さまは私たちに何を伝えたかったのでしょうか。


大谷大学の梯(かけはし)信暁教授〈仏教史学〉は、《いまの自分の行いを省みることが大切》と言います。

私たちは、動物や植物などあらゆる命を奪って生きています。嘘も平気でつくし、他人の悪口も言う。

どんな善人も罪を犯して生きているのに普段は気づかない。心の奥では何が正しいのかわかっていてもなかなか実践できませんし慎むこともできません。


【地獄は自分自身が作り出す世界。この世界をイメージすることで、自分の罪を自覚して、心の奥底に潜む善に向かう感性を目覚めさせてほしい】


[八大地獄の特徴]

①等活地獄 ■罪人同士で傷つけ合い骨だけになる

      ■鬼に八つ裂きにされる

      ■風が吹くと生き返り、苦しめられ続

       ける


②黒縄地獄 ■焼けた鉄の斧で切断される

      ■鉄の釜に落とされ、煮続けられる


③衆合地獄 ■鉄の山で押しつぶされる

(しゅごう)■焼けた鉄でできた獣や鳥に食われる


④叫喚地獄 ■熱した鍋で焼かれ釜で煮詰められる

      ■煮えたぎる銅を口から流し込まれる


⑤大叫喚地獄■苦しみの内容は叫喚地獄と同じ  

      ■苦しみの量は等活地獄〜叫喚地獄の

       10倍


⑥焦熱地獄 ■灼熱の鉄棒で叩かれて肉団子に

      ■鉄の串で貫かれ、炙られる

      ■目耳鼻口まで炎でいっぱいにされる


⑦大焦熱地獄■苦しみの内容は焦熱地獄と同じ

      ■苦しみの量は等活地獄〜焦熱地獄の

       10倍


⑧阿鼻地獄 ■ありとあらゆる苦が集結する

(あび)  ■苦しみの量は七地獄の1000倍

       以上


等活地獄は人間界から地下一千由旬(ゆじゅん)

等活〜大焦熱地獄の広さは一万由旬四方

最下層の阿鼻地獄の広さは八万由旬四方

※一由旬は約7キロ(14.4キロメートルとも)


各地獄は城壁に囲まれ、16の小地獄がある


六道輪廻の世界

《地獄》さまざまな苦しみを受ける世界

    六道で最も苦しみの多い世界

《餓鬼》嫉妬深さ、物惜しみ、欲望の塊の世界

    この世界から抜け出るため、さらに

    無理を重ねる世界

《畜生》弱肉強食が繰り返され互いに殺傷しあう

    世界

    人を蹴落としてでも、自分だけ抜け出そう

    とする世界

《修羅》独善的な世界。怒りに我を忘れ戦いを

    繰り返す世界。

    欲望を抑えることができない世界

《人間》生老病死の四苦八苦がある世界

《天上》人間の世界より苦が少なく楽の多い世界


⭕️これらから抜け出しすためには阿弥陀如来を仰ぎ、お念仏(南無阿弥陀仏)を称えながら生きていくことが求められる。



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